Pythonでオリンピックをデータ分析!『Olympic SDA』
ここからはプレゼンテーションに挑戦した子ども達の発表をレポートいたします。
中学1年生部門 優秀賞「Olympic SDA」

続いては中学1年生 冨永 心凰さん。作品名は「Olympic SDA」です。
新たな挑戦、Pythonでアプリ開発
中学1年生の冨永さんは、昨年のコンテストでテーマ賞と協賛賞を受賞。
今年はさらにレベルアップし、学年別優秀賞を受賞することができました。そして、今年は新たな挑戦として、ScratchではなくPythonを使って作品を制作。
作品名は『Olympic SDA』。SDAの由来は、サマー(Summer)のS、データ(Data)のD、そして分析(Analysis)のAを組み合わせたものです。Pythonの特性を活かし、オリンピックのデータを分析するアプリを開発しました。
120年分のオリンピックデータを活用

このアプリは、1896年から2016年までの27万件以上のオリンピック選手データを分析し、分かりやすくグラフや表にまとめたWebアプリです。PythonのライブラリであるStreamlit、Pandas、Matplotlibを活用し、インタラクティブなデータ分析が可能になっています。
例えば、国ごとのメダル獲得数の推移を折れ線グラフで表示したり、レーダーチャートを使って国ごとの得意・苦手な競技を比較することができます。具体的には、日本は柔道や空手、レスリングなどの戦闘競技のメダル獲得率が高いのに対し、アメリカは水泳や陸上競技に強い。一方、中国は戦闘競技の獲得率が低いものの、自転車競技などの乗り物系競技での獲得率が高いという結果が分かりました。
プログラミングの工夫
アプリの構成にはいくつかの工夫がありました。ストリームリット(Streamlit)を使ってアプリの見出しを作り、Pandasを使ってデータを読み込み、適切に処理できるようにしました。
また、夏季オリンピックのデータのみを抽出し、冬季競技と混ざらないようにすることで、正確な分析ができるよう工夫しています。
Pythonとライブラリを組み合わせた作品作りは初めての挑戦で、思っていた以上に難しく、予定よりも完成までに時間がかかりました。
しかし、その分完成した時の喜びと達成感はとても大きく、さらに新機能を追加してより素晴らしいアプリにしていきたいと考えています。



審査員の茶屋さまからは 「非常に完成度の高いアプリで驚きました!27万レコードものデータはどこから見つけたのですか?」のといいに冨永さんは、「いろいろなデータを集められるサイトがあり、そこからオリンピックの120年間のデータを見つけて活用しました。」と答えていました。
「私も探してみましたが見つけられなかったので、今度ぜひ教えてください(笑)。このデータは正しい情報を使用しているため、学校の授業でも活用できる有益なアプリだと思います。データサイエンスはこれからの未来でさらに重要になる分野なので、今後もこの高いスキルを伸ばしていってください。」と感想をいただきました。
上籠さまからも 実際に触ってみて、完成度の高さに驚きました。データ分析では、元となるデータの信頼性が重要ですが、このアプリは正しいデータを使用しており、非常に考慮された作品だと思います。と非常に技術力の高さに審査員の皆さんが驚いていました。
その他の審査員の皆さまからのコメントです
- データの分析はとても難しかったと思いますが出力までしっかり作りこまれていて素晴らしかったです。
- 新しい言語に挑戦する心意気はすごいです。中学生の時点でデータ分析のアプリを作れるのは将来有望だと思いました。技術力の高さがすばらしいです。
- 非常に難しい課題に挑戦する積極性に感心しました。また中学1年生とは思えない完成度の高さに驚きました。さらなる成長を期待しています。
- スライドがキレイでわかりやすかったです。27万レコードの分析はすごいです!
- データ分析に目をつけたところが素晴らしいです。WEBアプリとしてうまく形にできていました。実際の仕事で使うライブラリをうまく活用できていたし、参考にしているデータもよく考えて作っています。
- データの分析力、技術力が高く完成度の高いアプリです!今後もいろいろなデータを分析してほしいです。
- プログラミング力が毎年成長していることを感じました!
- Pythonのコードを書くのが最初は大変だったと思いますが、初めてとは思えないほどの作品ですね!もっともっと拡張性が期待できる作品です。
- データの分析はとても難しかったと思いますが、出力までしっかり作りこまれていてすばらしいです。
- SDAという着眼点が素晴らしいです。データを分析するためのデータ集めで実用性のあるプログラムになっていると思いました。
- 実用レベルの言語やライブラリを使っていて驚きました。中学1年でこれを作れるのはすごいです。作品としてもですが、プログラマーとして期待しています。
- 今あるデータを集め、あらゆる視点で分析すると新しい発見があることを知りました!
- Pythonでデータ分析を挑戦しているところや大量のデータを整理してグラフにするところ、ライブラリを使いこなしているところなど技術力が高いです。
『Olympic SDA』は、Pythonのデータ分析技術を活用し、オリンピックの歴史を可視化する素晴らしいアプリです。
大規模なデータを扱いながら、視覚的に分かりやすくまとめた点が高く評価されました。
「これからも機能を追加して、より素晴らしいアプリにしたい!」今後の成長がますます楽しみな作品でした!