弟に贈るやさしい発明「仮想お風呂リモコン」
ここからはプレゼンテーションに挑戦した子ども達の発表をレポートいたします。
審査員特別賞作品「弟のための仮想お風呂リモコン」

続いては、小学6年生の蓑田 汀さん。作品名は「弟のための仮想お風呂リモコン」です。
弟の大好きなリモコンが壊れた!
発表は、会場に響く“お湯はりメロディー”から始まりました。
「きっと今、この会場のどこかで弟がニコニコしていると思います」
そんな一言に、会場がやさしい空気に包まれます。
蓑田さんには双子の弟がいます。 弟さんは自閉症で、ある時期、お風呂のリモコンに夢中になりました。 ボタンを押して流れる電子音やアナウンスを聞くのが大好きだったそう。壊れないようにルールを決めて遊んでいましたが、ある日、ついにお風呂が使えなくなってしまいました。原因は、設定温度が高くなりすぎていたことでした。
楽しみにしていたリモコン遊びができなくなり、弟さんはしょんぼり。
「それなら、壊れないリモコンを作ればいい」
そう考えて生まれたのが、今回の作品「弟のための仮想お風呂リモコン」です。

本物そっくりにこだわる
蓑田さんが一番こだわったのは、「できるだけ本物に近づけること」。
弟さんは音にとても敏感です。 少しでも違うと、遊んでくれないかもしれません。そこで、お湯はりメロディーや電源音を何度も聞き直し、細かく調整してそっくりに再現しました。
さらに、ボタンを連打すると音が重なって鳴る仕組みや、「やけどしちゃうよ」「かぜひいちゃうよ」といったユーモアのあるメッセージなど、本物以上に楽しくなる工夫も加えました。
「我が家のお風呂を守るためです!」と笑顔で話す姿に、会場からもあたたかい笑いが起こりました。
思いやりでできたプログラム
この作品をお父さんに見せたとき、
「これは汀の思いやりでできているね」と言われ、とても嬉しかったと話します。
また、制作途中で弟さんがタブレットを見つけ、「貸して」と仮想リモコンをねだったこともあったそうです。実際に“楽しい”と感じてもらえていることが伝わるエピソードでした。
「将来の夢はプログラマーになること」と堂々と語る蓑田さん。使う人に寄り添った心のこもったプログラム作りが印象的な、素敵な発表でした。



審査員の方からは、「身近な人を助けたいという思いで作り上げた体験は、将来につながる原体験になるのでは」「使う人をしっかり考えて作り込んでいるのが素晴らしい、この発表を聞けてよかったです」とあたたかいコメントが送られました。
その他の審査員の皆さまからのコメントです
- 音の重なりに、昔のゲームの原点を思わせる楽しさを感じました。すごい!
- 大切な人のためのアプリ。泣きそうです。
- 身近な人のために思いが形となる過程を共有させていただき、ありがとうございました。
- 弟のことを思って試行錯誤し、出来上がっていくプロセスが目に見えるようでした。
- 誰かの役に立つ作品というのは、苦労があっても楽しさを感じられるものですね。
- 思いやりの技術、まさにその通り。細かい調整が完成度を高めていると感じました。
- レイアウト、音も、実物を上手に再現できており、細かいギミックもよく考えられていました!
- 弟のためというコンセプトが素晴らしく、プログラムなら壊れないという発想にも感心しました。
- プレゼンが面白いし上手でした。ユーモアを感じました!
- 現実的なストーリーがしっかりあって、弟さんへの思いやりが伝わりました。
- プレゼンの作り、流れがしっかりしている。プログラム自体のクオリティもめちゃくちゃ高い!
- 音が本物そっくりで驚き。弟さんが実際に触りたい作品になったのも素晴らしいと思います。
- 単純にリモコンを本物に近づけるだけでなく「楽しい」を作りこんだのが良かったです。
大切な弟さんのために生まれたこの作品。聞いている人の心を引き込む、思いやりと工夫がぎゅっと詰まった、心に残るプレゼンでした。プログラマーになるという夢の実現が、今から楽しみですね!
