【プラチナスポンサーインタビュー記事】PROMPT-X様
ITを鹿児島の代表的産業にしたい
株式会社PROMPT-X 代表取締役CEO/CTO 天辰 健一氏

物差しもルールも自分で作る――天辰氏が描く「うまくいくしかない未来」
PROMPT-Xは、鹿児島で生まれたソフトウェア開発企業です。世の中には、温度や電気の使用量、機械の動きなど、時間とともに変化し続けるデータがたくさんあります。私たちは、そうした“時間とともに変わるデータ”を貯め、整理し、役に立つ情報へ変えるソフトウェアを自分たちで作っています。たとえば、農業のビニールハウスの温度管理、ビルのエネルギーの見える化、工場の機械の監視など、使われる現場はさまざまです。吉野公園のイルミネーションイベント「LUMI Satsuma 2025」では、AIカメラの技術も提供しました。自分たちで作ったソフトウェアを販売まで行っている企業は、鹿児島ではまだ多くありません。本社は東京ですが、鹿児島と高知にも開発拠点を持っています。「鹿児島の代表的な産業は?」と聞かれて、「IT産業です」と答えられる未来を、本気で目指しています。
分解しては叱られていた少年時代。好奇心は変わらない
私は鹿児島の山奥で生まれ育ちました。ラジオやおもちゃを分解して、組み立て直すのがとにかく好きで、だいたい元に戻せず親に叱られていました(笑)。情報も少なく視野は狭かったけれど、「中身はどうなっているんだろう」という好奇心だけは、その頃からずっと変わっていません。やがてファミコンに夢中になり、お年玉をためてパソコンを買いました。小学校の卒業文集に書いた夢は「技師になりたい」。そこから、コンピューターって面白いなと思うようになりました。
プログラミングは“魔法”じゃない。でも“魔法みたいな瞬間”がある
起業のきっかけは、鹿児島の同じ高校の同級生の存在です。周りがソフトウェアの世界に進んでいて、「じゃあ、自分たちでもやってみよう」と会社を始めました。ただ、最初から自分たちのサービスを作って出せたわけではありません。ソフトウェアを作って“リリース”できたのは、創業して15〜16年たってからでした。プログラミングは“魔法”じゃない。地道な作業の積み重ねです。それでも、この仕事には“魔法みたいな瞬間”があります。困っている人の話を聞き、「どうなりたいか?」を一緒に考え、解決策を届けられたときです。PROMPT-Xは、技術のすごさそのものよりも、“寄り添う力”をお客様に評価していただくことが多い。身近な誰かの「困った」に気づくことが、ものづくりの出発点になります。
多くの事業で「骨格」をつくるITの役割
今回、初めて大会スポンサーとして協賛し、審査員も務めました。正直、作品もプレゼンもレベルが高くて驚きました。予想以上の盛り上がりで、子どもたちも優秀な子ぞろい。少しやんちゃな子がいてもいいくらい(笑)。でも、全員が真剣で、まっすぐでした。今やITやAIは“特別なもの”ではありません。どんな事業をするにも骨格になります。たとえば美容院を開くとしても、予約システムは当たり前に必要になる。つまり、ITを使わない仕事って、実はほとんどないんです。だから「プログラミングを頑張る」も大事だけれど、もう一歩、視野を広げることが大切です。「ITで、別の仕事を強くする」。DXは、まさにそれです。AIも同じで、AIを使ってAIサービスを作るだけだと価値は高くなりにくい。AIを使って、別の領域で価値を出す。そのほうが面白いし、強いです。

若いだけで価値がある。安心して、好きなことに打ち込んで
生成AIの登場で、子どもたちの学習環境は劇的に変わりました。コーチや師匠のように教えてくれる存在が身近にいて、挑戦のハードルは確実に下がったと思います。一方で、難しさを乗り越えて「自分で動かした」という達成感は、得づらくなる面もある。だからこそ最後は、自分の“やりたい”を起点に、自分の手で確かめる体験を大事にしてほしい。思い立った瞬間に動いて、自分の表現を始めてみる。そこから世界が広がっていくと思います。
ブース紹介


ITで「貯めたデータ」をAIで「使えるデータ」に
PROMPT-Xのブースでは、同社が得意とする「データ基盤」の事例を紹介しました。現場で集めたデータを蓄積・整理し、AIも活用しながら“使えるデータ”へ引き上げていく流れを、交通量調査や農業での活用例とともに示しました。ブース担当の大原さんは「精度と信頼性が問われる世界です。近年はAIの普及で、データを蓄積する価値がさらに高まり、私たちにとって追い風となっています」と説明しました。また、コンテストを観覧した代表取締役CHOの岩倉さんは「純粋な思いに胸を打たれました。この熱量のまま、ものづくりを続けてほしい」と話しました。
(記事撮影:泊亜希子)
